古くから花の名所として知られる

吉野山

吉野山。

奈良県の中央部・吉野郡吉野町にある吉野川(紀の川)南岸から大峰山脈へと南北に続く約8キロメートルに及ぶ尾根続きの山稜。

古くから花の名所として知られており、その中でも特に桜は有名で、かつては豊臣秀吉が花見に来た事があると言われています。

現代でも桜が咲く季節になると花見の観光客で賑わうことで知られており、地域ごとに下千本(しもせんぼん)、中千本(なかせんぼん)、上千本(かみせんぼん)、奥千本(おくせんぼん)と呼ばれています。

2004年にはユネスコの世界遺産、1990年には日本さくら名所100選に選定されました。

吉野山に桜が多いのは、桜が蔵王権現の神木であるとされたことによると言われています。

修験道の開祖とされる役小角は、金峰山(現在の大峰山系)で修行を積み、その結果、金剛蔵王菩薩(こんごうざおうぼさつ)が出現して、これを感得し蔵王権現像を彫ったとされています。

その時に用いられた木材が桜樹でした。

以降、行者達は桜材を使い権現を彫刻し、これを祀る習わしとなりました。

これより桜は神木となり、桜の枯れ木といえども薪にさえせず、一枝を折る者は指一本を切るといったような厳しい信仰が厳守されたといいます。

そのため蔵王権現に祈願する際には、神木とされる桜の苗を寄進するのが最善の供養となる風習が起こり、平安時代の頃から多くの桜が植えられるようになりました。

また大海人王子(のちの天武天皇)が、吉野の寒中で、庭の桜が満開の夢を見て、これが動機となって天下を定めたので、桜は霊木であり神木であるとされ、桜の愛護が始まったとも伝えらています。

吉野山観光協会の公式HPはこちらから。

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